クイックライト群、いざ参上

今回、4月23日のアップデートで顔見せさせていただきました“クイックライト群”です。一応にメインテナンスを終え、いざ最終段階となるテスト点火に備え、マントルを装着した状態です。こう思うとテスト点火のために要するマントルの数も相当な数に及んでいると再認識してしまいます。


アラジンのランプごとく、ほわ〜んと言った感じの煙を上げています。マントルを空焼きする際の手順として、マントルの底部から火を点けていくとスムーズに空焼きすることができます。その後、ちょっとした工夫として、空焼きをし5分程度時間が経った後、再度ライターの火で空焼きしたマントルを下からあぶってあげると、空焼きしたマントルを再度強化させてあげることができます。


プレヒートを行った直後、クリーニングニードルを開けるとけたたましく炎をあげる一台です。さらに炎が立上った後、メインバルブを開けてあげると一気に安定した炎となりました。


本体にポンプを装着していないタイプのクイックライト、ハンドポンプでタンクに圧力を掛けてあげることになりますが、このハンドポンプは以外とワンストロークで想像しているほど空気が送り込まれない場合が意外とあります。そのため、火力が今ひとつだなと感じる際はさらにポンピングをしてあげると安定した炎になります。



Q99ジェネレーターについてひとつ

今回はクイックライト群にこだわり、数台を同時進行でメインテナンスを行いました。非常にシンプルな構造故、そうてこずるようなことはありませんが機関面で支障を起こしているような箇所は慎重にチェックを行う必要があります。

その代表的な箇所として、“Q99ジェネレーター(もしこのジェネレーターが装着されている場合)”があります。現在のジェネレーターやR55のようにクリーニングニードルの無いQ99は、専用ニードルでクリーニングをしてあげない限り、ガスキャップの小さな穴に煤が付着、ならびつまりを起こしている状態のままとなってしまいます。

中にはガスキャップの穴につまった煤が完全に固着してしまい、ニードルが歯が立たない場合も稀にあります。こうなるとジェネレーターチューブ内にホワイトガスが閉じ込められてしまい、いくらプレヒートを行っても点火することができません。

これを事前に発見、確認するために上記写真の状態にしてホワイトガソリンの出具合(噴出具合)を確認します。当然ながらタンク内には適量のホワイトガソリンを入れ、バルブをしっかりと締めた状態でポンピングをしておきます。その事前処理として、ガスキャップの穴はしっかりとニードルでクリーニングをしておきます。確認手順として数回バルブをすばやく開け閉めします。その際、バルブを開けた瞬間勢い良くホワイトガソリンが噴出するような場合であればOKとします。逆に、ホワイトガソリンが染み出るような場合、全く出ないような場合はガスキャップの再確認が必要となります。

尚、補足としてジェネレーター内部に固着した煤や古いホワイトガソリンの残りが固まってしまっているような場合、ガスキャップが正常な場合でも点火まで導くことができません。これを見極めるためには一度本体をくみ上げた状態で点火テストを行うしか判断する手段はありません。言い換えると、ジェネレーターをクリーニングせずにそのまま利用できるか否かは、点火テスト抜きにして確認することはできないという理屈になります。

しかしながら、一度くみ上げたランタンを再度ばらすのも意外と面倒なものです、その為、私流ですがQ99ジェネレーターを装着している場合、手間を惜しまずQ99の内部までクリーニングを行うようにしています。その方法は、ガスキャップを外した状態でキャブレータークリーニング剤を適量内部に散布し5分程度放置しておきます。その後ゴム風船を膨らますように一方を口でくわえ、トランペットを吹くように一気に空気を吹きかけます。こうしてあげることにより、中に詰まっていた煤などの塊を取り除くことができます。※口でくわえる際、キャブレータークリーニング剤を吸引、飲み込んでしまわないよう十分に注意してください。コンプレッサーをお持ちであれば、コンプレッサーを利用して空気を吹きかけるのが良いことは言うまでもありません。


Wenol ultra softを試してみる

オールドコールマンのメンテナンスには欠かすことのできないWenol(ウィノール)のポリッシュ剤、今回は通常のタイプよりさらにプロ向けとされているウルトラソフト版を試しに使ってみました。

ほこりをかぶっていたクイックライトで試したところ、「う〜ん、通常版とほとんど変わらない・・・!?」と、これが率直な意見です。滑らかさは確かにウルトラソフトの方が幾分滑らかなようですが、逆に滑らかすぎる故に磨き心地が手を通じて感じられないような気がしました。まあ、どうでもよいようなレポートですがご参考まで・・・。



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チェックバルブレンチ
絶対に必要です!

オールドコールマンのメンテナンスには、チェックバルブレンチは必需品です。ライティングコールマンで主に利用しているものは1960年代頃のものですが、日本国内では大型アウトドアショップのナチュラムさんで入手できます。

U.S.モデル用はこちら icon で、カナダモデル用はこちら iconで購入できます。※注:当方オンラインショップへの注文ではありませんので、ご注意ください。当方からは商品紹介のみとなります。購入は、ナチュラムさんへの直接注文となります。


チェックバルブレンチについては、こちらの参考ページ
をご覧下さい。


物価高・・・

100年に一度と言われる経済悪化、これまでも景気が悪い悪いと言われながらも一般庶民としてそれほど影響を感じるようなことはありませんでしたが、現在のこの景気の悪さは本当に悪いと感じる日々です。例えばオールドコールマンのメインテナンスには欠かすことのできないWenol、ここ数ヶ月で1.5倍ほど値上がりをしました。

これを承知の上でいつもWenolを購入しているアンティークショップへ足を運ぶと悲しくも品切れでした。そのため、今回にクイックライト群の一気メインテナンスでは5台同時に行う予定が4台となってしまいました。

 

やってしまった・・・

オールドコールマンをメンテナンスする上で錆(さび)との戦いは永遠のテーマとも言えます。フレームやタンク内の錆と色々なところに出現している錆・・・。つい先日のことですが、ひど〜い錆状態のクイックライトランプ用のシェードフィッターがあった為、ケミカル系の錆取り溶液にどっぷりと漬け込んでおきました。

その後、すっかりとそのことを忘れたしまっていました。“はっ!”と思い思い出した頃には後の祭り、無残にも強力なケミカル系にフィッターが侵されてしまい、半分ほどぼろぼろに解けてしまいました(とほほ・・・)。