ホローワイヤーランプ・モデル25レストア(パート2)

この写真は可能な限り、当時の状態を復活させることを基盤に集めたパーツを『仮』に取り付けた段階で、これから先まだまだ試練が待ち受けている状態です。左側に見えるホローワイヤーランプ本体は不要なパーツを取り外し、ポンプからの圧力を受け、まずはジェネレーターからの噴射が確認できるのか否かを検証ため、最小限のパーツだけが取り付けられた状態です。ちょうど骨枠だけにエンジンを載せ、エンジンの具合を見るような段階です。

(↑)上記は、仮に取り付けた段階での試験的な動画です。この時点ではまだ実際に燃料を入れずに行ったテストですので、『漏れは確認できないようです』などと発言をしていますが、実際燃料を入れてみると洪水のような燃料の漏れが...!!!

この検証で確認できた点:

1.ジェネレーター先から一向にガソリンが噴出されない。
2.バルブノブのあるナットから水流のようなガソリンの漏れ。
3.ガソリンタンクのガスキャップからの空気漏れ。
4.ガソリンタンクに付いているバルブノブからの空気漏れ(両方)。

問題1.として、ジェネレーター先から一向にガソリンが噴出されてきませんでした(数日掛け、ガソリンを十二分にしみこませたり、空焼きをするも一向に変化なし!)。これは想像したとおりの結果と言えばそのとおりですが、ひとまずガスキャップを取り外しジェネレーター内部の詰め物の状態を確認してみます。すすで真っ黒になり、先端は多少ほぐれるものの、時間を掛けてようやく抜きとるとこんな状態でした(以下↓)。この詰め物、再生を試みるよりはこれから先トラブルが極力発生しないことを優先させ、後に中を改良した仕様となります。

            

まだこの時点ではこの詰め物に原因があるか否かは特定できませんが、その検証としてまずはジェネレーター内部に一切の詰め物なし状態で今度は加圧、そしてバルブをひねってみました。

             

『やはり・・・・』、詰め物なしでバルブをひねったところ、このように勢い良くガソリンが噴射。しかし、この写真からでも分かるようにちょっと噴出すガソリンの勢いが強すぎです。このままでは恐らく火達磨になることを確信!この段階で既存の詰め物を再生させる考えとは決別し、色々と思案をめぐらせます。

そこでジェネレーターの詰め物の代わりになる仕様を検討しようと考えながら、念のためにガスキャップのメッシュを確認。この時、『あれっ、そう言えば・・・・』とあることに気が付きました。ジェネレーターの先端部分には小さな穴が二つ空いた小さなカップが装着されているはずですが、従来付いていたと思われる形跡を残しつつも、カップが欠損していました。※赤いやじるしの部分です。良く見ると、一部外枠の部分だけが残っているのが分かります。メッシュもかなり目の細かいタイプですが詰まり気味です。

ひとつ前の写真、赤い矢印の部分、わずかに残っている残留部分をペンチでつまみ引き抜くと、ご覧のように本来であればすり鉢状のカップが完全に破損していました。この写真からも分かるように、ジェネレーターに付いた傷を見ると、過去複数回に渡り手を入れられただろうことが想像できます。さて、こんな小さな部品が故に、有っても無くてもなんら大差は無いのでは?と思いつつもここは手を抜かず策を検討してみました。結果(↓)。この部品の自作しかありません。

ほぼ同じ厚さの真鍮板です。このようにまずは外寸を大まかにトレースしていきます。

少しずつ形を整えながらそれとなく外形ができてきました。

さらに修正を加え、形を整えていきます。

そしてさらに...。

外形を整え、ガスキャップに挿入できるサイズに微調整を加えていきます。

よい感じにすっぽりと収まりました。

さらに煤の詰まったフィルターも交換です。ここではさらに目の細かいスチール製ネットを使用。

(↑)こちらはタンクに付く2つのバルブのひとつです。ここからも空気のリーク、ならび燃料のリークが確認されました。幾度とない締め付け調整など行った結果、このままでは実用不可と断定。写真でご覧頂けるように共に新しいガスケットに交換しました。

左側が燃料供給用のチューブに繋がるバルブで、右側がポンプから送り込まれてくる空気をタンク内に供給するためのバルブです。左側のバルブには超長〜いフィードチューブが接続されています。

ガスキャップにもリークあり!よってこちらも新しいガスケットパッキンに交換です。

この段階でひとまず上記のような仕様にしたジェネレーターで点火テストをしてみます。はじめの試みとして、オリジナルの詰め物では燃料を吸収、並び吸い上げることは困難と判断したため、内部をコイル状の針金にし、これに加えオリジナルの詰め物を一部使用し、燃料の制御を試みてみます。

結果、点火するものの今ひとつのキャンドルパワーです...。

上記の様子を撮影した動画です。

 

こちらはさまざまな仕様で点火を試みた際の参考動画のひとつです。

やや写真がぼけて失礼しhます。色々と試した結果、最終的に採用した仕様がこれです。内部に1本無垢の真鍮製のバーを入れ、その周りに目の細かいスチールネットを複数回巻きつけてあります。


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オールドコールマンのメンテナンスには、ある程度の技術と知識が必要ですが、適切なツール(インチサイズのツールなど)のほか、目を保護するためにゴーグルの利用もお勧めします。

メインテナンスやレストアは手の感覚が非常に重要なため、主流は『手作業』となりますが、時と場合によってはコンプレッサーを使ったツールなどを使う場合もあります。

このような場合、思わぬことで眼球めがけてパーツの一部が飛び込んできたりなどなど思ってもいない怪我を負うことがあります。幸い、今のところ大きな怪我をしたことはありませんが、ゴーグルをしていたため大事に至らなかった経験をしています。

また、このページでご紹介した磨き作業にはラテックス製のグローブをご利用されることを強くお勧めします。さもなければ張り切ってぴかぴかに磨き上げたタンクとは対照的に、手は指紋の中まで真っ黒になってしまいます。

 




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以前(だいぶ前ですが)、台風やストームシーズンには、プロパンガスタイプのランタンやストーブも意外と便利なことについて話題にしましたが、キャンプなどではなく公園や日帰りピクニックなどの時は下(↓)のようなプロパン式のストーブは結構重宝します。アメリカでは近所にあるような公園にもBBQグリルが備え付けてあり、自由に使うことができます。これらを使う手もありますが、場合によっては先客に取られ、予定したBBQができなかった・・・・など想定外のことも時には起こりえます。という事で、万が一のためこのようなプロパンストーブを備え持っていくようなこともあります。