まずはマントルの取り付けから〜大切な光源

現在はインスタントクリップ式の便利なマントルもありますが、昔からの流儀として、個人的には昔からのひもで縛るタイプのオーソドックスなマントルを使用しています。

バーナーチューブの先端に取り付けられているバーナーキャップには溝があり、その真ん中にサック状になっているマントルをひもで“きゅっ”と、締め付けられるようになっています。

締め付けた後、縛る方法は特にこだわることなく、団子結びでしっかり縛ってあげれば特に問題は有りません。この時の注意点として、あまりひもを強く引っ張りすぎると、ぷちんと切れてしまう場合がありますので、注意が必要です。特に、何十年も昔のオールドマントルを(趣向)で利用される場合には気をつけたい点です。

取り付ける際のコツとして、はじめに蝶結び状態の輪をあらかじめ一つ作っておき、その状態でバーナーキャップの溝に取り付けてから締めると、作業がしやすrくなります。最後に、余分なひもは切り取り、マントルの取り付けを終了します。



ポンピング〜加圧をする

ポンピングはマントルを焼いてからする方の方が多いかも知れませんが、ポンピングをしている最中、場合によっては折角焼いたマントルを壊してしまうようなことも少なからずあるため、私の場合はまずはポンピングを行います。

このポンピングの回数ですが、1900年初頭あたりのランプやランタン(主にプレヒートを必要とするようなモデル)の場合、時としてごくごくわずかに加圧させるだけの方が、余分な燃料を噴出させることなく、プレヒートから始まりいざ点火するまでスムーズに行える場合も多々あり、またモデルやその固体のコンディションによりその状況(最適回数)は異なる場合もあるかと思います。その観点から、必ずしも『〜回ポンピングをする!』のように、特定するのは誤りなのかも知れません。また、燃料の量によっても左右してくると思います。

この背景を考慮して頂、一般的には20回〜30回程度、ポンピングをしてあげれば十分です。ポンピングする際は、一枚目の写真に写っているポンプノブを左に回し、ロックされている状態を解除します。これによってポンプシリンダー内に収められているチェックバルブ(弁)がフリー状態になり、いざ空気をタンク内に送り込むことができます(2枚目写真参照)。

最後に、ポンピングをした後はしっかりと最後までポンプを押し込み、右に締め込みまたロックした状態にします。

※注意:ポンピングする際、STEP4で説明のあるクリーニングティップのL字型レバーが上に向いている(閉まっている)状態になっている必要があります。



マントルを燃やす〜空焼き

タンクの燃料キャップ、ポンプがきちんと閉まっていることを確認し、マントルを空焼きします。つまり炭化させます。特に難しいテクニックは必要としませんが、手順としてマントル底部分(下)中央あたりに火(着火マンやライター)をつけ、満遍なく空焼きします。2枚目がほぼ全体が空焼きされた状態です。

炭化したら決して突っついたり、触ったり、吹いたりしないように!

ついでに、マントル交換の見極めですが、基本的には破れがなく、かっちりとバーナーキャップに付いている限り、まず問題なく使用続けることができます。ここ近年のマントルは、残念ながら昔に製造されたマントルと比べると、その強度がはるかに落ちていると感じています。多分に、マントルに使用する繊維が繊細(より細く)なった結果、強度が落ちたのでは?と思っています。

はるか昔(何十年も前)に点火されたまま長い事しまいこまれていたオールドコールマンを発見した際、マントルが当時のままの状態で付いている場合も結構あります。これらは感心する事に問題なく利用できる場合がほとんどです。そして炭化した状態の繊維を見ると、明らかに目が粗い(つまり強度が高い)ことが確認できます。

話が中座してしまいましたが、マントルが破れ、そこから炎(赤オレンジ)が出ているような場合は、炎が不安定状態になったり、また時としてグローブが破損する恐れも少なからずあるため、交換する目安としています。

余計な参考まで、同じコールマンのマントルでも、近年発売されている超小型のプロパンランタンなどに起用されている、上からかぶせるタイプのマントルは非常に強度があります。



クリーニングティップでジェネレーターを掃除

カラーの後ろ側に付いているL字型の小さなレバーをくるくると3,4回回します。こうすることにより内部で連結しているエクセントリックブロック、そしてそれに繋がっているニードルが上下に動き、ジェネレーターの先端に付いているガスティップ部分の煤(すす)のつまりを掃除してくれます。

また、点火後は火力調整として利用することが出来ます。

一般的には、L字型のレバー部分が上を向いている場合は閉じている状態、そして下に向いている場合は開いている状態です。



火気製品の取扱いには、くれぐれもご注意ください!



いざ点火〜緊張の一瞬

ちょっとしたコツですが、実際に点火をする前に、正面のバルブを左に少し回し開き、燃料の流出具合を確認してみます(この時、クリーニングティップは当然開いた状態にしておきます)。

この理由は、バルブを開いた瞬間、そのランタン(固体)の燃料の吸い上げ具合、ジェネレーターの具合などにより、バーナーキャップの先端から燃料が流出してくるまでの時間に固体差が意外とあります。

例えば、暫く利用していなかった場合と、頻繁に利用していた場合とでは、ジェネレーター内部の筒への燃料浸透具合により空気ばかり出てきて一向に燃料が出てこない場合があります。逆にバルブをひねった瞬間、予想以上に燃料が出てくるような場合もあります。

つまり、この作業を実際に点火する前に行うことで、マントルに火を近づけたと同時にバルブを開けば、タイミングよく点火できる状態を作りあげることができ、より安全に効果的に点火することができます。

この作業を行うことにより、無駄な燃料が流出し過ぎたことにより起こり得る火達磨や、溜まった生ガスが一気に飛び出すことにより起こる爆発(音)の発生をかなり防ぐことができます。

尚、点火のセオリーとして1/4開き、そして点火すると言うお決まりの方法があります。この“1/4セオリー”ですが、必ずしも全ての状況、モデルでこの“1/4セオリー”が通じるとは、個人的には思いません。

前回利用してから暫くたっていたり、またジェネレーターが交換時期を迎えていたような場合、ランタンそのものの機関面でのコンディションにより、必ずしも1/4だけを開いただけで、点火に最適な燃料が最適なタイミングどおりに出てくるとは限りません。

強いてこの“1/4セオリー”は前記の作業を行い、最適な燃料が出てくる状態を確認した後であれば、8割がた通じるという理解が出てくるのでは(!?)と、思っています。

とはいえ、やはりランタンをスムーズに点火させるのは、より数多くのランタン、そしてより数多くの様々なコンディションのランタンに火を入れ、そして灯し経験を積むことが、その真実を教えてくれるのかもしれませんね。

前置きが長くなりましたが、いざ点火をします。一枚目の写真のように“セオリー”通り1/4バルブを開きます(この時、後ろのクリーニングティップは開いた状態)。同時に火をマントルに近づけ、点火をします(写真2枚目と3枚目)。

安定した燃料と空気のバランスに問題がない限り、マントルはふわっと膨らみながら、4枚目の写真のように灯りが灯ります。この位になったら、バルブをさらに1/2から1回転分ほど開きます。

しかし、この段階ではまだまだ全快状態ではありませんので、ここで追加のポンピングを行います。これにより、灯りはけたたましい音を立てながら益々明るく安定してきます。

そして、5枚目の写真のようになったら、バルブをさらに開きます。この時、バルブを名一杯開くか、または適度なところで止めるかは、火が安定しているところであれば、無理に名一杯開かなくても良いかと思います。

消化〜また次回まで

消化はバルブ、そしてクリーニングティップの両方を閉じると空気の流動が止まり、序所に商家となります。この消化は、バルブ、クリーニングティップが起用されているモデルと、本当の意味で“イージーライト”式というものが機能面で安定してきた頃からのバルブのみが付いたモデル(時代にして1990年以降のモデルでしょうか)ではやや状況が変わってきます。

時代の流れとともに改良がなされ、バルブを閉めることできっちりと空気の流動をシャットアウトできる後者の場合は、ほぼ瞬時に消す事ができます。それに対して前者の場合は、燃料が暫くバーナーキャップあたりで炎が揺らめく場合も、固体により見られることが結構あります。

これはケロシン(灯油)タイプのランタンやストーブには必須な作業であるプレヒートの作用と同じく、ジェネレーターの余熱の影響で燃料がガスティップ方向へ出て行こうとする働きが少なからず影響している為だと思われます。そしてこの勢いがガスティップ先端のニードルだけでは押さえ切れないような場合に、残留していた燃料が暫くちょろちょろと燃えてるような場合もあります。

しかし、ニードルの曲がり、ジェネレーターの劣化による影響、その他の原因もまだまだ多数考えられますので、全てがこのケースだけということではありません。

最後に

オールドコールマンファンに人気の高いモデル200A(赤ランタン)をはじめ、オールドコールマンには“癖(くせ)”のようなものがあります。これは製造当初からの構造が関連している場合、そして長い間使用されている間に個々に付いた場合と、多くき分けて2通りあります。

その割合からすると、後者の締める割合が圧倒的に多いと思います。ジェネレーター内部に納まっているクリーニングニードルを例として取った場合、これがわずかに曲がってしまったような場合でも、パチンコ台の釘師が打つ釘のごとく、状態ががらっと変わってしまうような場合もあります。

このページではリクエストの多い200Aを実例に、基本的な点火手順を記してみましたが、コールマン社からの点火手順から大きく反ってしまっている部分も多々ある点があります。

先にも述べましたように、オールドコールマンの癖(くせ)と言う面を見ると、どうしても本来の手順から反れてしまうというのが、正直本音です。もちろん、これまで点火してきたオールドコールマンひとつひとつの状態をまとめて記することなど出来ませんので、一例ということでご理解ください。

また、点火方法については、コールマン社提供の取扱い説明書に従い行うことを基本とする点、この点をお忘れなく。



追記

このページを掲載させていただきましたところ、諸先輩の方からの体験談を以下に頂きましたので、追記とさせていただきました。

消火の件ですが バルブとティップクリーナーを同時にOFFにするとたまにミキシングチューブ内で一気にガスと空気の流れが止まり バックファイヤ現象がおきパーン!と爆発する場合があります。 ビックリされる方も多いと思います。 このことから私はバルブを閉めマントル内の炎が完全に消えてからティップクリーナーを閉じます。

またベンチレーターを止める
ボールナットは軽く締め付ける ベンチレーターを大事にしたいなら・・・ここは締め付ける理由がありません。 ベンチレーターを止めるだけですから。強く締めると琺瑯が割れたり、欠けたりします。


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