オールドコールマンの中でも、ややマニアックなモデルLQ427の分解手順を掲載してみました。

まずはジェネレーターを取り外す



ポンプ細部を確認する

まずはジェネレーターを外します。入手時に装着されているジェネレーターが写真でご覧いただけるQ99ではなく、R55が装着されている場合もあるかと思いますが、ここではQ99を例にして説明をさせていただきます。

外す時の注意点として、製造から80年ほど経過している為、錆などの影響でジェネレーターが固着している場合が多々あります。その為、あまりにも固着しているような場合は無理をせず、まずは古いネジの錆を落とす潤滑油を少量散布してからこの作業を行うのがベターとなります。

上記の作業を必要に応じて行ったとして、ジェネレーターを外す際は写真でご覧いただけるように親指と人差し指でコイル状のあたりをしっかりと押さえ、サイズの合うモンキーレンチを四角いナットにあてがいます。

四角形のナットを緩める



ポンプ細部を確認する

ジェネレーターに付いている四角いナットはご覧のような形状になっていますので、サイズの合うレンチを使用する限り、ネジヤマを舐めてしまうようなことはそうないと思いますが、必ずサイズの合ったレンチを使用することが前提となります。

ナットは右回しで緩みますが、最初にキュっと緩むまでは、慎重にゆっくりと回すのがコツです。

もし、ナットがひどく錆びつき、全く緩まないような場合は、潤滑油を散布してから、暫く時間を置き、時間を掛けることが肝心です。無理に回そうとすると、ジェネレーター本体が曲がってしまいますので、注意をして下さい。

ジェネレーター本体を抜き取る



ポンプ細部を確認する

無事ナットが外れたら、ジェネレーター上部先端を一度バーナーチューブの穴に差し込むような要領で上に上げ、ネジ溝からジェネレーターを抜き取ります。

バーナーチューブを外す



ポンプ細部を確認する

丁度T字のようなその形状から、ついついこの部分をがっちりとつかみ、インテークチューブを回して外しがちになりますが、それは絶対することなく、この時点でバーナーチューブを外しておきます。手で回らない場合は、挟み口が大きく調整できるプライヤーを利用し、可能な限りミキシングチャンバーの近い部分をはさみ、ゆっくりと回します。

この際、直接バーナーチューブを挟むと挟み傷が付きますので、2ミリ程度の厚さのラバーシートを適度に切ったものをかまし、傷が付くのを防ぎます。

※バーナーチューブの素材にもよりますが、あまり強く挟むと楕円上に凹んでしまいますので、注意してください。

 

インテークチューブを外す(その1)



ポンプ細部を確認する

次にインテークチューブを外します。インテークチューブは、写真でご覧いただけるめがね状のパーツを回して外す事により、タンク本体から外す事ができます。

写真でご覧いただけるように、1インチサイズのレンチがこのようにジャストフィットしますので、しっかりと固定しゆっくりと回します。通常はさほど力要らずで回すことができるはずです。

 

インテークチューブを外す(その2)



※※を外す

真上からのアングルです。インテークチューブが回り始めたら、そのポジションを替えながら、最も回しやすい位置で回し、そして外します。この際、平行に回すのが肝心です。

センターにあるプレートを外す



※※を外す

インテークチューブを外した後、真ん中にあるプレートをまずは外します。特に固定はされていませんので、簡単に外れます。

ワッシャーを外す



※※を外す

次に写真でご覧いただけるワッシャーを外します。

カラーを外す



カラーを外す

インテークチューブを外した時点で、フレームはすで完全フリーな状態になっていますので、フレームを外し、そしてカラーを外します。

バルブノブのナットを緩める



バルブノブを緩める

次にバルブノブのナットを緩めます。六角ナットが付いていますので、レンチのサイズを合わせ、またはサイズの合ったレンチを使い、ゆっくりと緩めます。

バルブノブを外す



バルブノブを外す

バルブノブは結構な長さがありますので、写真のようにガスケットパッキンが露出してくるまで回し、そして外します。

ポンプを外す



ポンプを外す

次にポンプを外します。ポンプシリンダーについているキャップを回し、キャップを緩めます。キャップが固い場合は、バーナーチューブで適用したテクニックを活用します。

キャップが外れたら、ポンプを抜き取ります。このモデルには一般的なモデルに起用されているようなチェックバルブ、ならびチェックバルブステムはありません。

ポンプシリンダーを外す



ポンプシリンダーを外す

ポンプを外したら、次にポンプシリンダーをタンク本体から外します。サイズは1インチのめがねレンチがジャストフィットします。

ポンプシリンダーを外す(奥の手)



ポンプシリンダーを外す(奥の手)

ポンプシリンダーは時として腕力だけでは固くてびくともしない場合がありますので、その場合は写真でご覧いただけるように、コンクリートなどの固い地面にめがねレンチの反対側を打ち付けるようにすると、コクンといった感じで緩みます。

※注意:
左の写真では、写真撮影をする都合上、左手だけでタンクを押さえていますが、実際には左手でしっかりとタンクを押さえ、右手はポンプシリンダー部分に挿入しているめがねレンチ部をしっかりと押さえた状態で行います。

ポンプ本体を抜き取る



ポンプ本体を抜き取る

ポンプシリンダーが無事緩んだ後は、ご覧のようにタンク内部に挿入されている部分を取り出し、ポンプ本体全部を抜き取ります。

この際、写真でご覧いただけるような細いチューブが側面に溶接されていますが、この部分がタンク内部のシリンダー穴に引っかかるような感じがありますので、うまく角度を変えながら、回すように抜き取ります。

ポンプ細部を確認する



ポンプ細部を確認する

ポンプ本体を抜き取った後、細いチューブの詰まり他、全体を確認します。

ポンプの弁部分を分解する



ポンプの弁部分を分解する

次に、写真でご覧いただけるような小さな六角ネジが付いていますので、サイズの合ったレンチを利用して外します。

ベアリングホール内をクリーニングする



ベアリングホール内をクリーニングする

六角ネジを外すと、このような小さなベアリングが1つ入っていますので、キャブレタークリーナーを前記の細いチューブ内、そしてベアリングの入っていたホール内ともに程度に散布し、クリーニングを行います。

※ベアリングをなくさないように!

ガスキャップの外し方(裏技)



ガスキャップの外し方(裏技)

分解前のタンク内に燃料が残っている場合、まずはこの燃料を排出することが一番先に行うことになりますので、この時点での手順として外さなければならない訳では有りませんが、キャップも固着している場合が結構あります。

この場合、先にも登場した1インチサイズのレンチがジャストフィットしますので、固着している場合でも、写真のような方法で意図も簡単に回すことができます。

ガスキャップパッキンが硬化、劣化している場合は、必ず交換するか、他支障がないものを利用します(実点火する場合)。

※尚、QLタイプのガスキャップパッキンは、200系などの一般サイズとは異なります。必要な際は、こちら(OTRS41)にございます。

分解した状態



分解した状態

分解すると、このような状態となります。

尚、タンクに付いているバルブアッシーですが、稀に宙ぶらりん状態となり、外す事も、また再度しっかりと取り付けることすらできなくなるといった自体を過去に経験していることから、あえて外し作業は省いていあります。

この点については皆様の経験、見解とは異なるとは思いますが、ご容赦ください。

参考



参考

Q99を装着するモデルのランタン、ランプは、その後継として登場したR55ジェネレーターも適合します。このR55は、ジェネレーター本体にクリーニング機能が付いていますので、煤の詰まりによる障害を大幅に回避することができます。

個人的にははやりQ99で灯すのが好きです。

使用したツール



使用したツール

使用したツールは、ざっとこんな程度のツールです。上から1インチめがねレンチ、挟む口が大小変えられるプライヤー、そしてアジャスタブルモンキーレンチです。

レストアの成果



レストアの成果

今回は、ディスアッセンブル(分解)方法をご紹介させていただきましたが、分解する前に、バルブとフレームの位置関係、そしてインテークチューブが締まる位置など、元の状態を把握しておくことも大切な作業です。

この際、一枚の紙と鉛筆を用意し、その紙の上に分解する前のランタンを置き、まずタンクの縁周りを鉛筆でなぞります。

そして次にフレームの位置、バルブの位置、ポンプの位置、そしてインテークチューブの位置など、それらのポジションを紙にマーキングし、そして簡単なメモ(何処にどの部分がくるなど)を紙の上に書いておくだけで、いざ組み立てをする際、頭をかしげるようなことは少なからずなくなります。

 

Enjoy Old Coleman!




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